第 5回 ・・・(中略)・・・

[2002/03/22]

今回のテーマは略語(含む俗語)
ちょっと下の言葉を見てほしい。いくつ意味がわかるだろうか。

全部分かった人、結構アングラ(この言葉も略語と俗語か。)な人ですな。
なんのこっちゃ、というひとのために、

上の三つは結構普通の知識ネタ。下の二つは俗ネタ。
略語なんてと忌み嫌う人もいるが、私は略し方によってはなかなか面白いと思う。
i18n なんてなかなかできない技だ。というより、略したら意味がわからない。
じゃあ、s15n で 「さいたま新都心(saitamashintoshin)」というのはどうか。
何でもありになってしまうなこりゃ。暗号みたいでそれはそれで使い道はありそう。

あとは、ひとつの略語で複数の意味があるものがある。英語の頭文字にできるのが
26文字しかない以上、違う単語でも結局略すと一緒というのはままあることだ。
KeyBoard は KBD とも略されるが、KB でKnowledge Base というのは、発音上
想像が難しい。K が読まれないのに頭文字だからだ。
また、RTM というのは最近気に入っている略語ひとつで、Microsoft 社がよく使っている。
Microsoft 自身、Release To Manufacturing と Release To Market の二つを
挙げており、どっちが本当かは不明。

もっとも、Microsoft は略語の意味を途中で変えるということをよくやるので、これも
例外ではないのかもしれない。
例えば、IIS 4.0 は Internet Information Server 4.0 だが、 IIS 5.0 は Internet Information Services 5.0 だ。
さらに、MSDE は何の前触れも無く Microsoft Database Engine から Microsoft SQL Server Desktop Engine に変えた。
これなんか、S も D も全く違う意味になってしまっている。ま、役割は似たようなものだが。
そもそも、RTM なるもの、全く使う必要の無い言葉だ。
Alpha/Beta とか Platform Preview とか Trial とかじゃ無ければそれは正式リリース版に
違いないわけで、わざわざ正式出荷版なんて強調しなくても分かる。
いや、むしろ逆に RTM の意味がわからないためになにやら特別な仕様では
ないかと感じてしまう。
Windows 98 SE RTM。(そんなのないけど) Second Edition の後継か?と思わせる。
フェラーリF2001 RTM。後ろの(Rear)タイヤが(Tire)ミシュラン(Michelin)みたいな(そんなのありか?)。

横道にそれたが、こんな無意味な略語も含めて、略語化することを
競い、優位を保とうというのではないか。独自の世界を築こうとする自己主張でもある。
そんななかで俗語が登場してくるのだ。アングラ(アンダーグラウンド)世界では
好んで略語・俗語を使う。そのものずばりを言わずに遠まわしに罵倒することで
初心者にはやさしく、ベテラン者には逆に厳しく聞こえるという不思議な言葉。
「逝ってよし」というのはそれをよく表している。

そんな中で、鯖とか串とか、かなり日本人くさい言葉がある。
さらにNetscape Communicator を 寝込みとかいうようだ。
対抗して、ISOを「磯」、Internet Explorer を「家」 とかいうのはどうかな。
「磯9001取得」とか、「家の窓」 とかいう使い方ができるだろう。
磯9001なんて九十九里浜みたいでなかなか響きがよろしい。

そんな世界をひそかに楽しんでいる。




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